転がしが成功する確率、馬券全通り買いで利益を狙えるケース、単勝馬券に増えつつある確率論最大の敵、競馬を確率で解体して必勝法を生み出そう
人気馬は素人によって作られると考えている人も多いだろうが、データを見ると違う側面も見えてくる。
サンプルとして560レース分のデータを取ったところ、全560レース中一番人気が1位になったのは187回。パーセンテージにすると、33.392%となる。言い換えるなら、3回に1回は、一番人気の馬が1位になる。
一番人気は最も馬券の売れた馬であり、競馬ファンはトータルで最も勝つ可能性のある馬を選んでいることになる。
3分の1という確率をどう思うだろうか。たいしたことないと思うかもしれない。
しかし、出走出馬数が14頭のレースで、もし機械的に馬を選んだ場合は1/14、パーセンテージにするなら7.14%となる。7%が33%まで高まるというのは、競馬ファンという存在が驚くほど的確に勝ち馬を予想していることを意味している。
尚、機械的な数字であろうゼッケン番号を見てみると、それぞれ勝率が6~9%と、均等に分散している。
ちなみに今回とったデータでは、2番人気の勝率は19.2%、3番人気の勝率は14.6%と減少していく。そして再び驚くべきことに、11番人気まで、人気と勝率が一致しているのが判明した。最後の14番人気もまた、不人気が示す通り、560レースの内勝利したのはわずか2回であった。
オッズで出た人気と実際のレース結果が、限りなく正確に一致しているのが分かっていただけたと思う。
これでも、オッズは初心者が作っていると思うだろうか。
これまで書いていたことをひっくり返すような結論になるが、
オッズはやはり初心者が作っている。
人気が集中するのは、競馬新聞などマスの予想に初心者が乗ったからというのもあるし、それ故に、33%止まりでもある。先ほどは33%を高確率と評したが、それはあくまでもランダムに比べればという話である。
もっと競馬に精通している人なら、競馬新聞から得られる情報以外にも予想ファクターを吟味、精査をした上で挑んでいる。的中率は33%よりも遥かに上となっている。オッズは重要だが、それを土台として、更に的中率を高めているのが競馬で勝つ人間だ。
しかし、これが厳しい道だ。何も考えずに33%まではいけるが、それを35%40%に高めるには何十倍もの情報収集と経験が必要となってくるからだ。
話は変わるが、最後に、今回のデータから気付いた点を述べておこう。
・一番人気の馬が連続して勝ち続けるのは5回までが現実的な数字。
現実的な数字というのは起こり得る可能性という意味であり、統計学的には低い。
よって、「単勝や複勝のころがしは5回までいける!」などと早計しないように。
・10回連続で一番人気がくる可能性は年間に2千レースあったとしても、46年に一回。
これは天文学的数字に等しい。